2010年7月18日日曜日

鯉が取り持つ縁

義理の弟から 彼の三歳の孫の誕生日の招待が来た。
この弟は15年ほど前に私と意見の相違の大論争の結果、絶縁状態のままの人。 

しかし、時が過ぎると共に親族の間にもいろいろと冠婚葬祭の集まりがあり、その折に出会うこともあったが、 それだけである。  大人の集まり、お互いに必要な挨拶をしてハイさようなら。  

十五年間ついに 彼とその家族の住所も、電話番号も仕事が何かも知らないで過ごしてきた。
真ん中に位置する義弟からは、折に触れお互いの兄弟は元気である事は知らされていたが、それだけであった。 結局どちらからも 手を差し伸べる機会がなかったと云えるのかもしれない。

たった三人の兄弟の上と下がそんな状態であり、責任の一端は私にありと感じるが、こちらの理屈から言えば 私と弟の二人が悪いのであってこれは 喧嘩両成敗と捉えている。私と姑の喧嘩が発端であったが、 私自身は、もうどうでも良いという気持ちでもあった。  しかし、 兄弟は別ものであろう。 それに同じ街に住んでいるのだから。


先月、 遠い親族のお通夜があり、 主人が出席した折、夫婦で出席した弟へ名刺を上げたとか聞いていた。 一週間後連絡があった。

断る理由もなし、娘や孫には 何ら大人同士の問題は関係ない故その誕生会へ出かけた。弟の最初の結婚の時の娘の子がジョウジア州から三歳の子供を連れて来ているという。 

兄弟三人とその家族を招待した理由は 新築した家のオープン ハウスと孫の誕生日を一緒にしたようであった。
弟の今の仕事は住宅改造会社の現場監督をしているそうだ。しかし、彼の再婚相手は確か研究所勤務の医者だったが、 今は医科大学で教えているという。 

ヒューストンから 北へ60マイルほどの処にレイク コンロー(湖)がある。大きな湖であるが、その湖を囲うように住宅が並んでいる。 義弟の新しい家もその位置に占め、1.5エーカーの土地にゆったりと建てられている。 庭先は湖畔となり、モーターボートがそこから乗り出せるようになっている。 また 釣りが楽しめると話す。 

湖畔にデッキがあり、いずれはヨットを買って此処から乗り出したいとか。
弟は昔から釣りが大好きなのは記憶にあった、屋根付きのデッキは固定された椅子とテーブル、常時おかれた釣り道具、 暇に任せて釣りだそうだ。

私の夫は釣りが苦手である。 糸を垂れて、魚の意志に任せるのが 嫌なのだそうだ。 猟の人である。 65歳でバイクの趣味に入る前は 毎年鹿狩りに出かけてバンビの両親(これは当時娘がそんなことを云って父親の鹿狩りを嫌がっていた)をトラックに積んで帰宅する人であった。


弟からどんなに大きな魚が此処で捕れるかとシツコク挑戦された夫は 、ヨッシャ ヤッタルカーと糸を垂れた、なんと 5分で釣れたのがこの鯉である。
網で持ち上げようとした弟は、網の中に鯉が入らない、どうしようと悪戦苦闘。
私たちがデッキに集まった頃は、 兄弟が一匹の鯉によって大笑いの中であった。

釣りの成果を喜ぶ二人の姿をみて、期せずして、私と弟の妻から、新しい一歩になるかもね。 これで良いんじゃない。と結論が出た。   

2 件のコメント:

あらま さんのコメント...

よかったですね。
これで目出度く「和解」ということになれば、更にヨカッタ・・・ということになるでしょう。
歳を取ると、体も心も硬くなるものですが、それを和らげてくれるのが、体も心も柔らかい幼子の笑顔、そして動物たちですね。
「コイ」だけでなく「仲」も一緒に釣り上げた檀那様に感謝ですね。

革袋の一滴 さんのコメント...

あらまさん コメントありがとうございます。
多分もうこの二人は大丈夫でしょう。
この次は 我が家にも祝い事があったときには弟家族にも来てもらいましょう。