2011年4月13日水曜日

猫の余生が短いです

痩せこけて、骨と皮になり、 食欲も無く、一人しょんぼりとしている。我が家の猫ダンテは今
腎臓の薬、 食欲促進の薬、胃もたれの薬、尿管炎症の薬と毎日医者の指示に合わせて飲んでいる。
嘔吐と食欲不振でぐったりしてしまった猫が 投薬三日ほどは食欲が出てきたが、それきり、 今では 市販の猫の餌は受け付けない。 医者からの特別食だけを少し受け付けたが、 それももうイヤイヤをする。 仕方がないから、 人間様用の白身の魚を少し暖めて与える。   すずめの涙のごとくチョッピリ食べるだけ。

それでも 三日目は同じ魚を出すと顔を横へ向ける。仕方がないから別の魚を暖める。
こんなに我がままで傲慢な猫は蹴飛ばしてやろうかと頭をよぎるが、いけない いけない、猫の介護も出来なくて、いずれくるかもしれない介護をどうする気だと心を入れ替えて、
ハイどうぞ と猫様のお茶碗へ小さじ一杯入れる。

この家に住み始めてから、外出を許されないまま、猫の生涯が終わるのかと少し哀れに思い、 裏庭を囲む塀全体の穴埋めをして、 お隣さんからの犬の侵入を一切出来ないようにしてから 私はダンテを外へ出してみた。それが三週間前。 
最初はソロリ、ソロリ と へっぴり腰で歩き、 木を見上げ、 芝生の匂いを嗅ぎ、 茂みの中へもぐり込み、そっと座って、葉の隙間から飛んでくるすずめや、近所から忍んで来る近所の猫を見ていたが、 最近は一匹の猫とお友達になったようだ。

初めてのお遊びの日、 言葉を交わすでもなく、二匹でジッと見つめ合っている。無言の会話の後、その猫は身軽に塀の上に飛びあがり、姿を消していった。
それを見てたまげた我が家の猫は家の中へ走りこんできた。
あんなこと出来るんだ~ スゴーイ、そして少し興奮している。


今では、 砂箱への用事、水飲み、食事以外は外で過ごすようになった。勿論それは私が家に居るときと、 帰宅後、週末だけであるが。 
ただジッと茂みの中に座っているだけ。何をするでもない。 屋内だと、寝そべっているのに、外では寝そべることもしないのに、 あんなに一日中寝ていた猫が、昼寝もせずに庭の木陰でジッと座っている。 まるで 十数年の損失を今取り返しているように ただただ外に居たがる。

先日はついにキャンプ アウトをした。 夜の10時に、 「ダンテもう寝ましょう」と呼ぶと、仕方が無いという仕草でモソモソと茂みから出てくるが、 先日はガンとして拒否した。 私が呼んでも、 同居人が迎えに行っても、ギャーと叫んで拒否の姿勢。 
結局我が家の猫は始めての朝帰り。 まあ 男一生、一度の外泊ぐらいは許されるだろう。

体重15ポンドだったダンテが 腸の閉鎖手術後 すっかり痩せてしまったのに、あれから九ヶ月一度も体重が増えることなく、 今では三週間前病院で計ったときは 8ポンド、今は見事に皮と骨。 歩くのも難儀らしくヨタヨタしている。それでも何かに浸かれたようにヨタヨタと裏庭へ出て行く。 

一日二匙の魚と水だけで、病気の猫はどれだけ持つのだろうか。 毎週医者へ行き血液検査、アイビー治療という手もある。事実猫病院はそれを要求している。 そして薬の量を増やすか、違う薬に変えるか。俗に言う延命処置である。 私はそれを止めた。 毎週ではなく、 注射の繰り返しと、極度に怖がる自動車でのお出かけと医院での治療。 それがむしろストレスになるのが懸念されるし、 それに大きい声では言えないが、
毎回の治療費250ドルは痛い。治療費云々を言うところが 人間とペットの置かれた位置の違いであるが、 やはり痛い。 これが私の気持ちであるが、 同居人はそうではないようだ。
医者のところへ連れて行けば、ダンテの腎臓が治り、 食欲が増え、またもとのように肥満系の猫に生まれ変わってくれるのではないか?と願っているようだが。

今まで二度治療を受けたが、そのつど二日三日は上向き状態になっても、又もとの状態、今朝も同居人はダンテを医者へ連れて行こうとしていたが、私は一日考えさせて欲しいと頼んだ。

二日ほど前から 嘔吐、下痢が始まった。猫好きの友人が、 ダンテがそんなに外に居ることを好むなら、 いっそ砂箱と水を外へ置いてあげれば、 歩いて部屋へ入ってくる必要が無いから猫には楽ではないの? と提案。 日なが 一日、外の空気を吸い、 木漏れ日を受けてウツラ ウツラしながら余生を終わらせてあげようと決めた。 
多分私の出した結論は 超愛猫家からみれば、許せない行為だろう、しかし、 九ヶ月前にした手術以来本当は快復していなかったのだと思う。 



我が家のダンテのお話の過去帖 はこちら 

腎不全 http://kawabukuro2007.blogspot.com/2010/07/blog-post_28.html 
捨てられた猫 1 http://kawabukuro2007.blogspot.com/2010/05/blog-post.html
捨てられた猫 2 http://kawabukuro2007.blogspot.com/2010/05/blog-post_05.html

2 件のコメント:

じゅんたろう さんのコメント...

ダンテ君、その後いかがですか?このブログにもたびたび話題として登場、すっかりおなじみです。
私もかって三匹の犬を飼っていました。それぞれぞれあちらで私と再会するのを待っていることでしょう。毎回$250は痛いですね。日本ではもうちょっと安いですが、それでも一回の注射などで¥10,000はかかります。彼らは物言わぬだけに医者に頼るしかありません。せめて痛みだけでもなければと思います。

革袋の一滴 さんのコメント...

じゅんたろうさんこんにちは
ダンテは今日も生きていてくれます。
もう庭へ出る事にも興味をなくしました。明日の土曜日にもう一度医者へ連れて行くつもりです。
さて何と言われますか 少々怖いです。