2011年1月20日木曜日

オカン アート

PCで毎度のごとくいろいろと読んでいたら 今回は 「オカン アート」とう言葉を知った。言葉の通り、おばちゃんの趣味の作品のこと。 
まさに私の生活の四文の一がその「オカン アート」(この言葉で検索できる)で生きている。  「ちゃんねる2」と言うコラムでいろいろとその面白い書き込みを読んでいたら、
面白かったけれど背筋が少し寒くなった。

8-9年前から始めたキルトが最近の私の趣味の半分を占める。 小物、手提げバッグ、ひざ掛け、小さな人形、袋物。はてはベッドカバー。
袋物は大きな箱に二つ。ベッドカバーは何枚も重ねて出番を待っている。

母がまだ生きていた頃は、一時期すっかりのめり込んで、母の古い着物や、母の友人の古い着物などを送ってもらって、セッセと袋物を作った。
そして、母にどんな物が出来たのかと聞かれると、夜なべまでして手提げバッグを作り航空便で日本へ送った。 しかし、 自分の趣味の作品?を送れば、
受け取り側がそれらをどうしただろうと思うのは人情というもの。 母と同居の姉に、遠い日本へ旅して行った私の可愛い小物ちゃん達は日本でどうしているかと聞いてみた。

「アー アレね。もう貰い手が居なくて困ったわ、 最後の一つはやっと私の長女が「貰ってくれたワヨ」車の中のゴミ箱にするって言っていた。

勿論それ以来一切日本へは送らない。航空便が損である。 

私の小さな心は少し傷ついて、そしてすべてを悟った。 もうだーれにも 上げない!!と決めたのだ。 しかし、 今分かった。あれは 「オカンアート」だったのだ。
貰って困るオカンアートとは知らなかった。 捨てるわけにも行かず、自分の好みでもないから使いたくない。誉めればまた贈って来る。恐怖のオカン アート。

しかし、実に的を得た言葉だ。 実は昨日同居人が病院で定期的な血液検査を受けてきた。その待合室で隣に座っていた年寄りが、膝の上に箱を乗せて、両手を入れてモソモソと動かしている、 そこで同居人はそっと中を覗いた。 これは彼の悪い癖である。
箱の中でその老人はカラフルなビニール紐で何か編んでいる。そばに寄って中を覗くその不埒な男へ、その人は嬉しげに、今これに凝っていてね、
テレビを観ながらでも、こうやって病院の待合室でも、何処でも作れるし、 もういろいろ作ったよ。そして、 ホラこれ上げるヨ、もって帰りなさい。
それは よじれた親指のようなキーホルダーだった。

そのキーホルダーをホラ上げると私の手によこした同居人に、すばやく、いらない、自分が貰ってきたのだから自分で使ったら。 イヤ自分はこういうの使わないから、
じゃあどうしてもらって来たの? だってあんまり嬉しそうによこすから断れなかった。
まさにこれぞ「オヤジ アート」である。 

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