2008年9月7日日曜日

わたしの大統領選 1

二週間毎晩共和党と民主党の大統領選挙候補選出大会の演説を観ていた。 こんなに身を入れて演説を聴いたのは本当に初めてだ。どちらの候補者が演壇に立っても、その日のテレビやラジオの視聴率は、35、000、000人を上回ったそうだ。中国のオリンピックの開催日の視聴率を越えたそうである。 それだけ国民が次期大統領に期待と不安を感じている。
私には選挙権はないから別にどちらの候補を望んでもどうということはない、これは一般の永住権(グリーン カード保持者)を持つ外国人の本音になる。これは、市民として住み、仕事をして収益を得るか、勉学をしている以上は非常に失礼な考えであることは承知している。

民主党候補のオバマ氏はさしずめ新興宗教の教祖的存在に見える。 それに備わるだけの説得力と容姿と態度。動きが華麗である。 ハリウッドのセレバティーとも言われている。
ハワイ産まれ。アメリカ白人女性の母とケニア出身モスラム教の黒人の父。その父親は早くから彼の前から姿を消している。その後母子はフィリッピンへ移り、再婚。そして離婚。またハワイに戻り、母子家庭として生活保護を受けながら母親は大学院へ進む。 
オバマ自身は殆ど白人側の祖父母との接触の中で成長するが、大学はアメリカ本土東海岸のアイビリースクールで弁護士になり、その後シカゴの黒人街へ入り、そこのコムニティー オーガナイザーをしながら教師をしていた。 私は彼の数冊に及ぶ自叙伝は読んでいないが、これは演説会とラジオのトークショウからの知識である。
カリスマ的なオバマは演説が上手。 実に素晴らしい。しかしインタヴューになると、彼の答は円を描いているような会話をする。 本題に入らない。 だから彼の質問に対する答えが分からない。 聴いていると、彼の首を絞めて、「コラ、言え、はっきりと言え」と云いたくなる衝動にかられる。 
オバマの演説を聴いていると、 国民を幸せにしてくれると約束する。 ゆりかごから墓場までしっかりと政府が面倒を見てくれると約束してくれる。 もう何も心配することはない、すべてを変える(Change)仕事も増える、経済も高くなる、医療も政府に任せなさい。戦争は会話で解決する。 まさに楽園である。 それを聴いた聴衆は中には涙している人たちも見えた。 
もう一つ彼が黒人であること。 長い長い黒人の虐げられた奴隷から解放してくれる。 やっとその時が来た。長い道のりだった。黒人が白人をリードするときが来たと考える。私の目からの米国は現在マイノリティーの方が有利である。 あらゆる職場は均等にマイノリティーが白人社会の中に混ざっていないと違法である。 生活保護もマイノリティー優先である。どこに奴隷解放があるのかと見回してしまいたくなる。 しかし中産階級の多少下であることが虐げられていることになる。 故にオバマ氏の演説に、最低賃金の値上げがある。それを唱えると聴衆は涙して喜ぶ。 しかし、最低賃金で労働している人口は全国の5%しか居ない。その大半は高校生や大学生のアルバイトが加わる。 しかし演説は、お助けムードを貫いている。
「国民の自律」ではなく、「政府が国民を保護する幸せ」となる。「チェンジ」「チェンジ」と叫ぶ。 我が家の長椅子でビールを呑んでいたある男性が、 どうしてチェンジするの、今のアメリカが自分にはとても快適だけどネ、人間上を見たらきりがない、現在のアメリカの大きな問題は違法移民でしょう? どうして彼らが危険を冒してでもこの国に来るのかオバマ氏は考えてみなければ、移住者にとっては、彼らの国より生きやすいから来るのでしょう? 欠点はいくらでもあるけど、少なくとも世界の幾つかの国々よりは生活のし易い良い国に入るのだろうに、どうしてチェンジするんだろう。
 なるほど。

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