2009年8月19日水曜日

 Living Wil l尊厳死を希望する重症患者の遺書

いつ頃からだろう 日本でもアメリカでも Living will 尊厳死を希望する重症患者の遺言書を作成する習慣が始まった。 私の母もご他聞に漏れず 毎日書いている日記の中に書き込んだと何年も前に話していた。 
 私と夫はその遺書を未だ書いていない。 しかし子供たちには 口頭で伝えてある。  
今の世の中では医療は一般的に中々患者を死なせてくれない。危なくなると連れ戻されることが多い。 なまじ家族が病の人を哀れと感じて 逝かせてあげようとしても 法律が許さない。 しかし、 もしかすると これからの医療には そのような心配は要らなくなってくるようだ。 

現在沸騰状態のHealth care system という 国民健康保険のあり方が問題になっている。 とにかくすごい。 オバマ大統領の新案 全国国民皆保険に入りましょう。お国が面倒を見ますが キャンペーンである。  総国民の50%が健康保険に加入していないという壊れた保険制度が成り立っている国ではある。  民間保険会社がぼったくりをしすぎるのだ。 
国の70%が中小企業でなりたっているこの国は 後の30%の人口である大企業の社員には会社の加入する保険に入れる。 これはラッキーな人たち。 次の中小企業でも医療保険などの給付をしている会社も多いが、それが出来ない企業が多すぎる。 そこで皆が個人で医療保険に加入する。 これが 保険会社のぼったくりの被害者となる。 

ここまでなら 国民健康保険制度が成立すれば 残り50%の人には願ってもない懸案であるはずなのだが 問題はその内容である。  まあ 税金が高くなるとか、 加入したくない企業が違反行為として罰金がつくらしいとか そんなことより 現在大騒ぎしている項目のひとつに「死刑制度」と 巷で呼ばれているのがある。 

この医療制度には 医療と患者(国民)の間に行政が介入して 医療の判断を決定するのだそうだ。 そして 患者の65歳以上には 行政の判断で その患者にこれ以上の医療処置をする必要の是非を決定するといわれている。 その人の存在価値を国が決めるのだ。

65歳以上の患者のプラグ(管 )を抜く、抜かないを国が決めるのだと皆が騒いでいる。 
ゆえに、もろもろの手術の必要性も 投薬も 患者の年齢と患者の状態によって国が判断する。
「ワー ブッタマゲタ~」 これがわたしの最初の印象だが、 もしこれが本当の話ならば 尊厳死遺言書などはもう必要ない。 お国が尊厳死を提唱している。 管を抜く前に 65歳以上は もう医者が管を体に入れてくれないらしい。  金ばかりかかる年寄りは 始末してくれるらしい。  これぞ 姥捨て山アメリカ版である。

この医療制度を可決しようとオバマ氏が孤軍奮闘しているが あまりの騒動に 大統領も気持ちを変え、 四週間決定をのばすことにして、 夏休みに入った 議員さん達は皆お郷へ帰り、 タウン ミーティング「市民の集まり」を何度も繰り返し 新医療保険の説明会をしている。
しかし、このタウン ミーティングに集まる老人パワーの凄まじさに国会議員達がタジタジとなり、ボディーガードや警察官を横に立たせての弁論会。
どの議員も 「いやーそんなことはありません、 ちゃんと治療は受けられます」と返答するが 1000ページを超える 新国営医療制度の概要にはちゃんとその項目があるのだそうだ。それが削除されない限り、 口頭でどう言おうが、決定してしまえば彼らの勝利となる。
どうやら夏が終わるまで 土俵は水が入って持ち越しのようだが、私も老人組の一人、
家族の為と自分の為を思って尊厳死を希望しても、国に私の生死を決めてもらいたくないので しっかりとこの懸案の先行きを見届けたい。   

2 件のコメント:

じゅんたろう さんのコメント...

何ヶ月前だったでしょうか、オバマ大統領の国民皆保険の提案にはこれは素晴らしいと思いました。日本でも報道されていました。以前アメリカの健康保険制度に付いてうかがい知った時、これはとてもアメリカでは住めないと感じたものでした。
今回のブログで『死刑制度』の事を知り驚きです。確かに日本でも法律により無駄と知りながら高額な延命措置治療を続けなければなりません。
二十年程前になるでしょうか、叔母が雲網膜下出血で仆れました。家人不在で発見した時にすでに数時間経ていました。母と私が病院へ駆けつけると真っ赤な顔でいびきをかいて寝ているのです。揺さぶれば目を覚ますのでないかといった風です。医者は様子を見ましょうと云いその夜は帰宅し、あくる日再び訪れました。医者は一週間が限度です。人工呼吸の管が身体にそわないとそこが壊疽を起こしこれ以上は無駄な措置というのです。管を外すのは御家族の意思でと告げられました。私の判断で直ぐに叔母の所属教会の神父様をお呼びし終柚の秘蹟をしていただき、延命措置等の延長云々を訊ねました。神父様はフランスの方でヨーロッパでの措置やヴァティカンの指針など説明を叔母の家族に為さったのです。皆は理解しました。
親族全員が見守る中で LIBERA ME の祈りのうちに管が外されました。眠っているような姿は今でも眼に残っています。
この場合は叔母の信仰を親族が受け入れ、司祭に従ったわけです。ここに残された家族と医療者とそして彼女の生き方であった信仰によって決断されたのです。
これなら納得がいきます。アメリカでの「65歳・・・」って、それだけで決められるのはご免です。しかし悪戯に延命措置をされるのも、私ならいやです。いまや日本でも似たような問題がおきています。唯、今選挙前でそのような話題が沸騰し各党にマイナーになるマニフェストを提唱することは誰もしないだけです。

手負い虎 さんのコメント...

へ~~。65歳になったら殺してくれるの!日本は、75歳以上を「後期高齢者」と言う呼称をつけただけで、不評を買って廃止したくらいの国なのに。アメリカは其の上を行っているんだ^^。

私はもう68だから、アメリカにいたら、死ぬ権利あるわけだ。アメリカに行こうかな・・・

実は私は一人暮らしの特権として、倒れても、何がおきても、誰も病院に運んだりしないので、遺言なんか残さなくても自然死を迎えられると、期待しています。臓器移植法は反対だけどね。誰かの赤ん坊が死ぬのを期待して、自分の赤ん坊を助けるのを加勢すると言うあの法律、人間、バベルの塔を作りすぎじゃないの?