2007年7月2日月曜日

直美ちゃん小学校5年生

或る日教室でクラスの黒人の女の子から「中国人」と娘の直美ちゃんは呼ばれた。これは東洋系の顔をしている私達にはよくあることで、訂正したところで本当は東洋の国々の違いなどわかってはいない。多分ヨーロッパ人の違いも理解できていないだろう。だが、ドイツ人にオマエはフランス人かと聞けばやはり「NO」と応えるのは当然のこと。ニャニヤ笑ってやりずごるヨーロッパ人にはいまだに合ったことはない。
仕事などで初めての相手と電話で会話をすると、最後に「アノー 外国人ですか?」と聞かれる、「どこの国の発音ですか?」などと聞かれることもあるが、少しでも日本を知る人とか、仕事で日本へ出張した人はあちらから「日本の人ですか?」と聞いてくる。そしてその後にどれだけ日本で楽しかったかと話は長引くのだが。

直美ちゃんも速やかに訂正した。私は中国系ではない、日本系だと。女の子は、それがどうした、中国人も日本人も同じだと返した。「日本と中国の違いもわからないのなら人にそんな事を聞くな」と、そして一言付け加えたのだ。
「私は日本人の血が入っているのよ、だから私はあなた方よりも頭が良いのよ、わかった」
婉曲に「バカ」呼ばわりをされた子は虫が治まらない。下校時に自転車通学をしている直美ちゃんを待ち伏せ、彼女が10スピードの自転車で走り始めた瞬間に後ろから長いボニーテールをワシつかみにして引っ張った。地面に叩きつけられた娘は毛がガバッと抜け、タンコブの大きいのを頭の後ろにつけてのご帰還となる。一晩中痛いコブを氷で冷やし、毛の抜けた箇所を手でさすっていた彼女は翌日かの女の子を洗面所で見つけ飛び掛ったそうだ。しかし目的達成の前に教師に現場を見つかった。暴力生徒の現場を見つかった我が娘は、父兄同伴で相手の生徒と親に謝罪するようにと日時を指定した手紙持参で帰宅。
もう中学生になっている息子は手紙持参の常習犯だ。電話の苦情、手紙での苦情本当に世の先生方はお暇でいらっしゃると感心するほど子供の逐一を親に告げる。
それらの一切の処理をしてきた私は娘までは嫌だ。「ブルータスお前もか」と云いたい。

渋る父親に、これがエスカレートしていつか娘の愛らしいの顔にナイフの傷でも付けられたら後悔するのはこちらだからと説得して学校へ追い出した。
帰宅した主人は、やはり今日の会合は母親が出席すべきだった言う。札付きの悪がきを殴りつけようとした女の子の親の顔が見たかったと教師が漏らしたのだそうだ。それなら母親の私が顔を見せるべきだという、どうみてもあの挑戦的な性格は自分から出たものではない。あれは君からだよ。失礼な話である。

主人のその意見は間違っている。以前実家の隣に住んでいたというご婦人にあったことがある。「ヘーッあのガキ大将と結婚したの?それはそれは。」と妙な目で見られた。あなたの旦那さんには昔てこずったわね、何回警察に電話をしたかしれないワ、でも何時もパトカーが来る前に逃げちゃうの。逃げ足の速いかったのは近所で一番だったわ」と話してくれた。 もっとも主人に言わせるとあの程度のことで警察を呼ぶのは税金の無駄使いだと言い訳するが。
二つ下の弟とインデアンごっこをして、弟は空気銃を持ち出し、兄は手製の弓矢をもちだしての追いかけっこになった。屋根の上に逃げた弟を兄は弓を引き狙いを定めて引いた。矢は真っ直ぐに弟の胸に突き刺さった、屋根からころげ落ちてその戦いは弟の負けとなった。  今六十代の弟はお酒が入るとシャツをたくし上げてその傷口を見せるから本当の話なのだろう。しかしこの話には続編がある。数日後、兄貴よ隙ありと見た彼は空気銃をぶっ放したが、逃げる兄のお尻に命中した。いくら酔ってシャツはたくし上げれても、さすがにパンツを下げての武勇伝は無理なようで可哀相に名誉の負傷は誰も知るところではない。

4 件のコメント:

じゅんたろう さんのコメント...

ますます面白くなってきました。私が知りたかったのはテキサスなど南部でのそんなことでした。ずーっと昔”ジャイアント”などテキサスなどを舞台にした映画がありました。
人種差別!判らないでもありませんが、”自由の国アメリカ”ってWASPのためだけにある言葉と思っていましたが同じ有色人種間でもあるのですね。

革袋の一滴 さんのコメント...

神がバベルの塔を嫌った時から民は人種の違い、言葉の違い、宗教の違いとあらゆることで差別、偏見、傲慢の罪を重ねてきてます。
白人が有色人種を差別するのは世界が知るところでしょうが、有色人種の間の差別も決してきれいなものではありません。もっと小さなところでは、日本人社会の中でも差別はあります。 企業出張組の日本人がその土地の日本人を差別するのはもう言葉に出せないほど醜いこともありますし、黒人とヒスパニックの争いは、学校内の子供達の中までも浸透しています。 差別は人間が生きていく限り決してなくならない罪の一つではないでしょうか。

手負い虎 さんのコメント...

このサイトは、なんだか使い勝手が面倒ですね。

アメリカで生きるためには凶暴でなければだめなようです。姉の子も年中トラブルを起こしていました。やっぱり、その差別ですが、おとなしい甥はリンチを受けて抵抗しなかったので、3ヶ月の重傷を負いましたよ。

3番目の子どもの姪は、お勉強はいつもトップだったようですが、顔は日本的で、鼻が低いと、からかわれていました。そうしたら、彼女、鼻なんかいくら高くても、バカじゃないかとののしって、凶暴に争った結果勝っちゃったようです。

姉も凶暴になりました。些細なことでも裁判に訴え、けんかを始めたら、勝たねばならぬ、を信条に、日本では誰とも付き合えない女性に変貌しました。ま、素質もあったのだけど・・・。

差別は日本でも、国際結婚家庭にたいしても、帰国子女にもかなりありますよ。夫も会社で、いじめられて、ストレスで禿を作っていました。肌の色が問題じゃなくて、出身国の国力が問題のようです。日本がJICAを送り込んでいる国は、猿以下ですから。ははは^^。

革袋の一滴 さんのコメント...

初めて試みたブログですが、 何か少し他所様のとは違うようです。Googleのお仕着せページだからでしょうかしら?
私自信がいつもクリックするたびに全部消しはしないだろうかと恐怖を感じます。でもここまで来るのに頭痛薬を二度も飲みましたヨ。頭を使うって本当に頭痛がするんですね。