2009年10月3日土曜日

タイチー24

もう何年も前になるが ヨガ教室に通っていた事がある。 呼吸の仕方を習い、 体内から毒素を吐き出す作業を練習する。 瞑想もどきな事をしてから 手や足を少しずつ不自然な方向へ動かす。 不自然という言葉は不損かもしれないが、 普通の生活ではしない体型を作りだすということから言えば 不自然である。  その頃の私はまだ 多少若く、体も少し柔軟で 体そのものが持ち主の命令に従ってくれた。 よじれと言えば よじってくれたし、 曲げろといえば素直に手も足も曲がってくれた。 ゆえに 楽しんだ。 床に大の字に寝ての瞑想の瞬間に 自分のイビキでフット目を覚ますという 恥ずかしいこともあったが。 まだあの頃は 私自身が床に足を投げ出して座り、自分のオデコが膝につけられた遠い記憶の時代である。このヨカの教室で習得したことは呼吸方法である。 これだけは今でも 瞑想もどきをするときにヨガの呼吸方法を使っている。  

それから 数年、 私は スポーツ ジムに入会した。あのエロビックスというのを 試してみたかったから。なんとも格好良く見えた。 
激しい音楽に合わせて 一 二 三と掛け声をかけて 励めば 自分自身もあのインストラクター達のように長身細身の美人になれるかと愚かなことに挑戦した。
しかし、 一回30分のあのセッションに付いていけないほどに私の体は老化していたようだ。
汗だけは 一人前に 皆と一緒に出すが 足が出ない。 まず あの順番道理に手足を動かす振り付けを覚えるのに苦労した。 一斉に右を向いたときに 私は左を向いて お隣の人に ハイこんにちは となる。これがどのくらい恥ずかしいことかお分かりかな?

このとき私はアメリカ人との体力の違いを学んだ。 鉢巻をした 銀髪の やせこけた バーさんが 軽々とエロビックのセッションを 二回続けてするのだから。

エロビックが駄目なら こちらだと、バーベルを持ち上げても ビクともしない、 懸垂もどきをしても自分の体が持ち上がらない、結局一番私の好みに合っていたのが トレードミルという ベルトの上をねずみのように 歩きつづける事だけだった。 歩くことなら出来る。そこで 自分用のトレードミルを我が家に購入してジムからサヨナラをした。 ついでにわが亭主のために ローリングマシーンというのを誕生日のプレゼントとして買った。 ボートをこぐしぐさをするあのマシーンである。 腕と腹筋と膝が同時に鍛えられるというセールスマンの言葉を信用して。 しかし、 それは本人があの機械の上に乗って作動させなければ鍛えられない。 あれから15年。わが亭主があれを使用したのは多分3回であろう。 

性懲りもせずまた何かをしたい虫がむくむくと動き出した 今度は タイチー(太極拳)を始めた、とは言っても 初めてせいぜい4週間目。 中国の中高齢の男女が公園の隅で スイー、スイーと体を動かしているのをテレビなどで観るたびに 私だって出来るワ。 あれなら 激しい動きもないし、 この錆付いた老体でも(多分)出来るはずと確信してクラスに申し込みをした。 今回は 近所の住む友人も誘って。

イヤハヤ これが 難解なのである。 少しもスーイ スイと行かない。 またまた 踊りの振り付けもどきに体が付いていかない。 いや 違う頭が付いていかない。 両手両足がいつも別々に動かすのだが、 両面鏡張りの大部屋で 12名の男女がインストラクターの所作に合わせて 右手右足を何とか動かしているのだが、 己の姿を鏡の中で見つけて、 あわてて 右と左を取り違えたりとブザマな姿をクラス中が恥ずかしげもなく晒している。  カンフー映画の俳優みたいな、ヨレヨレ姿のインストラクターが体を動かすと本当にサマになるのだが、 誰もその姿には程遠いギクシャク タイチーもどきを楽しいんでいる。しかし 私はこの タイチーの練習がすきになっている。もちろん 動きはまだ覚えていない。インストラクターの姿をガットと目で追いながらのおぼつかない足取りだが、 これも少しも苦にならない、なにせクラス中の12名がそうなのだから、しかし タイチーは体に無理がない。一回終わるとやれやれといった気分になるが、体はすっきり気分、 楽しい。当分は通ってみるつもり。 少なくとも一人で出来るようになりたいが、まず正直なところ その日が来るか自身はないが、 いつか私だってあの中国のおばちゃん達のように スーイスイと 流れるようなタイチーが出来るかもしれないと淡い希望を持っても良いだろう。 



  

2 件のコメント:

じゅんたろう さんのコメント...

これこれ、ヨガ、太極拳そして気功、私はどれもやりました。それぞれ基本はおっしゃるように呼吸法です。腰痛が出てからプールでの歩行に変えましたが、これも基本は呼吸です。妙なことに今でも手が足元までぴたっとつきます。今はあまり過激な動作は出来ませんが呼吸法は毎日しています。幸い職場の周りは樫の木、桜、胡桃や椋の大木があります。本来は針葉樹があれば最高ですがそういった木の発するフェントチットが人の身体に作用します。呼吸は腹式でゆったりと、昔の「でんでん太鼓」のように身体は垂直に保ち、手をぶらぶらと振ります。というかツイストです。身体の中心部は動かさないで強弱を付け心いくまでします。無論大切なのは呼吸で乱さないリズムで行います。
呼吸はヨガ、太極拳に共通です。大切なことはそれにより本来人が持っている治癒力を増進させることです。たとえば台所の包丁で指をさしたとします。当然血があふれまますが、殆ど瞬時に傷がふさがり治癒します。以前私はアイス・ピックでまともに指をさしました。どぼどぼ流れていた血は一瞬で消え五分後には忘れていました。これは自然治癒力が目覚めたのです。これは今でも残っています。
動作と呼吸との連携をいかに自分に合うようにもっていけるかが鍵だと思います。他人の動作は気にしないことです。呼吸は腹式呼吸です。肩で意気するのでは無く腹式に変えるのです。
初めに鼻から全ての意気を全部はききります。次に自然に入ってくる空気を胸一杯に吸い込みます。ゆっくりと苦しくなるまで。この呼吸法は次吐く時は出来るだけ長く息を吐ききるように。ただしリズミカルに。これを何回か続け感覚を掴みます。たとえば七秒吸って五秒吐く。この感覚はそれぞれ出来るだけ長く保てるといいのです。吸う時はゆっくり、しかし吐く時も一揆ではなく確かめるように細くはきます。
これを習得すれば体力の異なるメリケンばあさんに負けませんよ。
エアロビクスにしろ、呼吸です。
ヨガにクンブハカという基本呼吸法があります。どなたか教えてくれる方がいませんか?
風邪も引かなくなるのです。

革袋の一滴 さんのコメント...

here we go