2008年10月27日月曜日

彫刻





昨晩私はとても楽しい経験をした。 車で走って我が家からわずか30分、高速道路が走り、 銀行や日本を含めて各国の会社の支社や大使館、領事館が立ち並ぶ超モダン建築の建ち並ぶダウンタウンを見上げる箇所のすぐ隣。
しかし私が行ったのは、そのひずみのような、ビルの陰で日の当たらない町、周りは典型的な古い南部アメリカの町にふさわしく、 黒人の子供が家の前で遊び、 年寄りがポーチの前に置いてあるロッキングチェアーに座り前を通る人たちを眺めている。 ハリウッド映画の一シーンを観ているような、一瞬タイム カプセルに乗って昔に戻ったような街並みにわたしは嬉しくもあり、少し驚いた。

そんな中に建てられたこの建物、ガタガタと貨物を積んだ汽車が手の届く近くを走り、其のたびに誰もがその騒音で一時会話を中断するような廃墟に近い大きな二階建ての建物の中に無数の部屋がある。その中に多くの芸術家が小部屋を借り、彼らの仕事場として絵を描き、モザイクを組立、写真の編集をしている場所がある。 
彼らは時々その小部屋を少し掃除して、自分の作品を展示してギャラリーを開く

各々自分のアトリエに小さなテーブルを設置し、チップやクラッカー、ワインにオリーブなどを並べて招待客が自分の部屋に来てくれるのを待つ。

その一部屋で彫刻家のわたしの友人ケリーが作品を展示すると同時に、彫刻のデモンストレーションを試みた。 
ボランティアをしてくれる女性を置いての粘土の基礎作業。 出来上がりを二つに切り裂き鋳型を作り、ブロンズを流して出来あがりだが、その第一作業のデモンストレシオン。  

モデルが座り、粘土を台に乗せ、30分後には、 モデルの顔の特徴をしっかりとつかみアレヨアレヨという間に出来あがってくる。  絵を描く私の父と何度かスケッチ旅行をしたことがあるが、 いつも帰宅後にキャンパスの前で描く作品を観て、 素人とプロとの物の見方が全く違うのは何度も実感したが、似顔絵でなく、似顔彫刻とでも云うのかな? 言葉が出てこないけれど、 こんなに粘土を丸めて乗せていくだけで似ていく早業には本音で頭が下がった。 やはり神様からもらった何かを持っている人はいるんだナといたく感心した一晩であった。 

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