2009年2月21日土曜日

天かす

娘から小包受け取りました、有難う、のメールが来た。 中身は天ぷらを揚げたあとの天かすである。 娘が好物にしている食品のひとつ。  お笑いになっては困る。彼女は天かす をお茶づけやうどんに加えるのが好みである。 実に安上がりに出来ている娘であることを神に感謝しなければならないだろう。

私がまだ実家に居た頃、母から天ぷら、とんかつ を揚げる時だけは手伝わなくて良いと云われた。 まだ嫁入りの口も決まっていない娘の顔に油がはねて火傷でも出来ればそれでなくても難儀している娘が売れ残るのではと恐怖の人であったから。 だから結婚前は天ぷらを揚げたことがない。しかし面白いもので、 私の最初の妊娠の時の大好物が精進揚げであった。妊娠渇望とこちらで呼ばれる(food craving) もう毎日毎日お昼が来ると一人で天ぷらを揚げて食べ、産婦人科の医者から、 お母さん、産婦が多少肥るのは認めますけれどね、 赤子の倍の体重増加は困ります、と説教をされたことがあった。

私の知人の中に妊娠中渇望としてジャガイモを茹でて塩をふって食べるのに熱中した人が居る。 やはりお昼が来ると彼女は毎日ジャガイモを茹でていた。その食塩の塩分が体に回りすっかり浮腫んでしまい、医者は患者が日本女性であることから、塩分は醤油からくると憶測して、 醤油は控えなさいと再度さとしたそうだ。 その彼女は ハイハイとしおらしく返事をする。それでも浮腫む体に医者はずいぶんとお手上げであったそうだが、 医者は私がお昼に食べるジャガイモの塩の事は知らないのよ。でも止められないから医者には云えなかったそうだ。食への渇望とはそういうものなのである。

娘の直美は万年ダイエットの人間である。 別に肥ってはいない。小柄で細型であるが父親側に肥満のDNAがあると信じている。故に天ぷら とんかつ フライドチキンなど揚げ物は口にしない。可哀想に、しかし、好きなのである。そこで 天かす を食べる。 そこのところが私には少し理屈に合わないと思うのだが。 天かす をお茶づけや、うどんにのせて タヌキうどんを作ってわずかの油を楽しむらしい。 しかし私の実家の母の云いつけを真似て、私も嫁入り前の娘には揚げもの料理を禁止している。 最近では日本食品のスーパーで揚げ玉だけを袋に入れて冷凍食品の列に並んでいるそうだが、娘は未だ見つからないと嘆くので、勢い母親の私が、海老天などをした後に天かす を余分に作りタッパーに入れてサンジェゴまで郵送する。 しんどい事であるが、これも母親の出来ることのひとつと心得ている。 兎に角 子供が成長し、家を離れて住むようになると母親の出番が少なくなってつまらない。たとえ天かす 作りでも娘が喜んでくれるなら厭いわしない。 昔、か~ちゃんのタメ~なら、とか 父~ちゃんのタメ~なら エ~ンヤコラという言葉が流行ったことがあったが、 うちのと~ちゃんはもうどうでも良いから むす~めのため~なら~ あたしゃ 天ぷら 揚げまっせ。 

1 件のコメント:

じゅんたろう さんのコメント...

それですよ!我が家でも欠かしたことはありません。唯、スーパー・マーケットのてんぷら売り場にワン・パック50円で売っているのを買ってくるのです。えびなど魚介類の味がたまりません。何に使うって?お好み焼きにいれるのです。なんとも味が深くなります。
それはそうと、ヒューストン当たりで蓬や蕗のとうは生えていますか?これをてんぷらにすると美味しいのですが。材料は只。特に蓬は血圧安定の特効薬です。