2009年2月23日月曜日

バード パラダイス




もう二月、いや まだ二月、いや二月ももう終わり、28日は灰の水曜日。 カトリックの信者は水曜日は断食をして、これから四十日間金曜日には肉食を控える期間。そして出来たら何かを犠牲にして神に捧げる期間となる。 さて私は今年は何を犠牲として捧げよう。  

 今週あたりから寒さがぶり返すと天気予報は恥ずかしげもなく嘘の予報をしているが、少しも寒くならずに着々と又あの暑い夏へと向かっている毎日。 しかしやはり春は心地良い気分になる。  毎年恒例の植木屋へいそいそと通うのもこの二月。 結局馬鹿暑い夏が来てその年に買った草花は殆ど枯らしてしまうのだが。  英語では花や植木が枯れることを 「死ぬ」と表現するのが一般である。 そこで、 その言葉を日本語に挿入すると傑作な会話が生まれる。あるご婦人が 「この辺にいっぱい咲いていた花が今年は少しも出てこないのよ。 きっと私が殺したのネ」 初めてそれを聴いた時はギョッとした。

ヴァレンタイの日に我が亭主殿が アジサイの鉢を私に持ち帰ってくれた。有りがたいことである。 大きくてきれいな水色の(青色の事です)花が五つも咲いている鉢。  数年前に息子がやはり アジサイの鉢を母の日のプレセントとして贈ってくれた、それを庭に植え変えたがその後勢いをなくして、結局3年目に咲いた花のサイズが3センチと哀れなものであった。 それ以来もう一度庭にアジサイを咲かせたいのだが、植木や花の殺し屋である自分には自信が無くてやめていた。 しかし今年は又挑戦してみよう。 

 お向かいのテイラーさんの奥さんがグリーンサム (緑の親指、すなわち何を植えても上手と云う意味です)なのでお伺いを立てた。アジサイは何処へ植えたらいいですか?  返事は、 自分の家の裏側の南側に植えなさいとお達しが出た。 ??? 一緒に居た夫のテイラーさんに質問をした。  我が家の裏側は裏の家の前側になるけれど、花はどうやって自分はどの家に所属しているか知るのかしらね~? 

次いでに我が亭主殿が、もう20年にもなるイチジクの木に実がならず、毎年小さい実が一杯生るけど、熟す時期には木から落ちてしまうのはどうしてなの?

テイラーさんの奥さんのお達しは早かった。 イチジクは自宅の北側に植える事。 さて私の頭は混乱して来た。  我が家の表側は北東にある。 裏側は北西となる。そしてイチジクは北東に植えてある。 しかし、 20年も古い木を植えかえることは無理だし。単純に東西南北で決められない、あえて言えば、イチジクは北に面しているわけだけど、 それは裏の家にとっては南側寄りになるわけだ。ではイチジクの実を私たちに食べさせてくれないあの木は、たぶん自分は後ろ側の家に所属していると勘違いしているのだろう。 困った事である。 

野菜も毎年何種類かは試みるが、 苗と肥料に支払った原価も採れないほどに哀れな結果になるが、少しもめげない私は今年も、日本茄子、トマト、ピーマン、次いでにミント、今年はライムミントとかチョコレートミントなどと聞いたこともない品種を買ってきた。 しかしこれも問題で、 知人によると、茄子とトマトは隣り合わせて植えてはいけないのだそうだ。 今年こそは頑張ろうと、鉢植えの野菜は止めて、小さな畑を作っているが、 どうしてもその畑に全部植えようとするには、トマトも茄子も同居となる。 別世帯は無理なのだ。

ピーマン一個 一ドル九十九セント、トマト一個 一ドル近い値段の昨今、急降下している経済のアメリカでこれから野菜の値段は一体どうなるのだろうと心配である。 ヴェジタリアンを目指している私としては しっかりと畑を耕して豊作に持っていかなければと頑張るしかない、しかし、今年も又豊作が期待出来ない時はどうしたら良いのだろうか。 結局パスタリアンか 肉タリアンに逆戻りして、そしてコレステロールが溜まって肥満になって花の人生短く生きる悲劇となる。

添付した花は毎年少しずつスケールが小さくなって行くが、やっとこさと咲いている鉢植えをどうにかして写真に撮りたいと考えて一か所に植木鉢を集めてみたら結構綺麗な花畑になった。 これぞ写真の威力である。それと今日は探していた バードパラダイスの鉢植えを二つ買った。 この12月に二人の子供達に逢いにサンジェゴまで出掛けた折、このヒューストンでは珍しいはずのバードパラダイスが街路樹として鬱蒼と、これは誇張ではない本当にどこも此処もこの花で埋められていたので私も我が家で咲かしてみたいと気にかけていたのだ。 これが咲けば、 我が家で子供たちの住む街に少し近づけるのではないかと、子離れできない哀れな母親は考えている。 期待しないで 試してみよう。 バードさんよ、私に殺されないように気を付けないさいよ。 

   

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

1)日本の植物を日本で見たみたいに育てるには、ヒューストンの気候を、変えなきゃだめです。アジサイが日本で梅雨時に咲くのは、湿気を必要としているからであり、日本だって8月になると、日に焼けて茶色に変色します。私は自分の庭のアジサイを家の回り中に挿し木して増やしていますが、日当たりの良すぎるところは美しく咲きません。「北」というのは「日陰」のことであり、北極とまでは行かなくても適度な湿気のある場所です。

2)ところでそのバード何とかいう花、中米にはぞろぞろあります。現地の名前は忘れたけれど、いくら絵に描いてもうまく行かないので、にくたらしくなって、見ないようにしていました。

3)ところでトマトはエルサルバドルではそこいらで自生していました。さくらんぼくらいの小粒の実でしたが、山に生えていたのを、土地の人が食べられるというので、食べてみたら、トマトでした。妙な遺伝子組み換えの種でなかったら、生えるはずですよ。

じゅんたろう さんのコメント...

ピーマン、トマトがそれほど高いのですか!日本でもトマトやピーマン胡瓜も季節柄高いです。どちらかといえばヴェジタリアンの私の考えは季節でない野菜は買わないと決めています。栄養価が少ないからです。
トマト、ナスは同じ土地での連作は駄目です。土を入れ替ええるようにしては。我が家の窓辺のトマトは数個実をつけています。しかし熟れても硬いままです。自然って良くしたものですね。
実のならないイチジクって何か聖書の記事を思い出しますね。お隣さんがおっしゃるように北側のあまり日当たりの好くない場所が実をつけるようです。日本でいえば梅雨の頃さし木で十分大きくなりますよ。以前神戸の御影にいた頃どっさり実りました。
兎に角今年の冬は野菜が高騰で困りました。