2009年12月18日金曜日

人生いろいろ~世の中いろいろ 3 息子の場合

 息子秋夫が働くグラフィックの会社が風前の灯だと昨晩知った。 息子自身はいずれ来るだろう事を予測して、数か月前に独立を決めて会社を作り、すでに仕事の依頼が始まっている故会社が倒産しても明日から 困る事はないが、しかし人情的に又一つ会社が倒産するという事はやはり心に陰りが出る。息子の話によると、不況倒産と云っても、仕事が無いわけでない、 経営に問題があるそうだ。 良く聞く話しである。 
私たち夫婦も27年も自営業を続けているが、成功したとは云えない。かつかつやっと子供を育てた程度である。これも自分たちの経営能力の無さから来ている事も承知している。 息子もこれから一生涯自営業を続けるかどうかは全く未知であるが、 今は自分の腕を信じて進むより仕方がない。

しかし、世の中とは面白いもので、不況と同時に、いろいろな人たちが自分の置かれた立場がぐらついてくると、かつてテーブルナプキンに書き込んだデザインや引き出しの中に閉まって置いた図案やアイデアの日誌の埃を叩いて、この際パテントをとってみようと考えるらしい。そしてパテント業界は多忙になった。 有難い事に息子の仕事の一つが、パテント申請用製図作成である。 製図一枚いくらで結構仕事があるらしい。 そして次に進むのが、 世の中へ自分の商品、企業を発表する手段としてウェブ サイトが必要となってくる。

今やウェブの時代、 どんな商売も、 広告の一旦としてウェブを持つ。もうカタログを下さいとは言わない、 貴社のウェブ サイトのアドレスを下さいという時代である。個人でウェブ サイトを作成する人は沢山いるが、まだまだ、自分たちで手掛けるよりもとプロに頼む会社も多い、 そこで息子のウェブ サイト デザインと作成の仕事が忙しくなるわけだ。
 
リストラになり、 半強制的に自営業の世界へ入らなければならない人たちが増え、又、元来中小企業の多いこの国の事情、この際、マーケティングのやり直しと、ウェブ サイトの作り替えを考える企業も多いらしい。息子よ頑張れ。 

27年も自営業をしてくると、 良い時、悪い時の差が激しく神経のすり減る人生であった。その険しい道を息子も入っていくのかと思うと母親の気持ちは非常に複雑であるが、 育っていく過程で親の姿を見て何かを学んでいてくれたらと願う。

会社が倒産すると云う事は従業員にはどうしようもないことで、私たちが借りている中小企業事務所街も毎月のように、テナントが抜けて行く。 自宅を事務所にする、小さな事務所に場所替えする、この際、もう頑張るのはやめようと、 事務所を閉じて年金生活に入る人たちと、さまざまな人生模様である。 
 

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