2009年5月2日土曜日

白アリ

かつて息子の部屋であった西側の部屋の出窓の板がボコボコと波打って見えた。 ナイフの切っ先で穴を開けようとしたらグズグズとその窓辺の板が崩れる。  これが我が家の白蟻の被害を見つける発端であった。  出窓の板だけでなく、壁までも下10センチほど崩れ落ちる被害である。  見つけた被害はその箇所だけであったが、 もっと被害の場所はと探す気力も失せたのも確かである。これ以上知りたくない。  もうじき四十年になろうとするこの家が 風雪に耐え、一応私たち家族に安住の場所として提供してくれた住みか、 もう少し辛抱して 私たちが介護センターへでも引っ越す頃までは しっかりと足を踏ん張って頑張ってもらわなければ。 それが以外な小さな侵入者に冒されていたのは多少の恐怖である。

小さな白アリが家屋や大木を食いちぎり、 もろく崩れるのをTVで見せられている。 もちろんこれは 白蟻駆除会社のコマーシャルであるが、知人の中にも、 バスルームの壁が少し傾いているような気がしたので、ちょっと押してみたら、 もろくも壁が崩れ落ちたという恐怖の話も訊いている。   
 白蟻駆除専門会社の社員によると 我が家のケースは、侵入口はバスルームの外側から入り、 壁を伝わり天井を旅して、一番近い息子の部屋へ辿りつき、 窓辺の板を美味しい美味しいと食い荒らしていたそうである。  そこで 三日後にお邪魔いたします、 その際に、 室内の絨毯を剥がし、 コンクリートに穴を開けますから家具を動かして置いて下さい。!!
 

家の外側をひと回り万弁なくドリルで穴を開けコンクリートを通して土台の木へと薬品を注入する。 その穴の間隔は 一メートル以内。 実にこまめにドリルで穴を開けていく。 薬品注入後はその箇所を埋める。 四時間ほどの作業が終わると作業員は ハイ ごめんなさいヨ とそのドリルを持って家の中へ入ってきた。  キッチン、 浴室、 三つの 寝室はそれでも 壁の板へ直接穴を開け注入であるからそれほどには感じなかったが、 それから始まったのが居間である。 壁際はそれでも 絨毯を剥がしてくれたが、 中央にも薬を入れましょうと 居間のど真ん中をカッターでザクッと 惜しげもなく切っていく。 大分古い絨毯もいずれは買い変えるか、 タイルの床に換える運命ではあったが、 まだまだ 予算と時間がかみ合わなくて、 まだこの先一年は無理のはずだったが、 この白アリ退治の費用でその夢も又少し先へと延ばされたと云うのにである。 剥がした絨毯の下のコンクリートに 30センチ間隔で壁際にそって穴を開けて回るドリル仕事。

この作業の後は年間なにがしのメインテナンス代の支払で半永久的に保護されるそうであるが、 いや早 こんなことが待ち受けているとは油断であった。  人生事故や災害での被害ばかりではなく、あんな 小さな虫にも満たない白い小さな蟻っこからがこんな大仕事が出来るとはと憤慨する私に ある知人が、「蟻にだて 物を食って生きて行く権利はあるんだから そんなに怒りなさんナ、 アンタ食い殺しやしないって」 なんと 不埒な助言であろう。   

2 件のコメント:

手負い虎 さんのコメント...

日本では、シロアリ駆除に絡んでいろいろ事件が起きています。

そのひとつが、「シロアリ駆除脅迫詐欺」です。シロアリ駆除の業者と称する人が、家々を訪ねて、シロアリ診断というものを無料でしますという触れ込みで、診断をさせると、「この家はもう、シロアリだらけで、3年と持ちませんから」「たった30万円で良いから仕事させてください」というのが始まりです。

青くなって駆除を頼むと、床の下にもぐりこんで、しばらくそこにいた後、なにもしないでお金をとるという方法。いろんな手口があるものです。

うちにも来ました。あやふく引っかかりそうになったとき、一緒にやってきた二人のうちの一人が、向こうを見てにたっと笑ったのをみて、ぴんと来たので断りました。あれから3年以上たちますが、うちは健在です。

もっとすごいのは、シロアリ駆除の業者の妻が、駆除に使う砒素が自宅にあるのを幸いに、犯罪に砒素を使ったという事件。彼女、なんかのに腹いせに、自治体の祭りのときに、みんなで料理したカレーに砒素を入れ、死傷者を出したのです。

裁判、長引いて、このほど死刑判決を受けたけれど、不服申し立てをしています。

人様の不幸は「面白い」といってはいけませんが、書き方が冷静で巧妙なので、つい面白がって読んでしまいます。でも、だまされたのでも、詐欺でもなく、自分が主体的に、事実を見て判断して処置したのですから、ほんと!怒ることないですよ。シロアリ被害の風評を利用して金儲けの手にのったわけではないのですからね。

じゅんたろう さんのコメント...

本題から外れているでしょうが、本文に「私たちが介護センターへ」とあります。
私たち日本人は介護保険というものが義務付けられていますが私は途中から払っていません。何十万と延滞しています。知人の母が当時92歳でした。外出は車椅子でなければなりません。しかし、一週間に一時間の介護が受けられるというのです。そのおばあさんは自分の足が不自由だということは沽券に関わるとでも言うのか、介護保険査定の人がくるといかにも元気そうに振舞うのです。週、たった一時間何をするのか?そうするとその時間に誰かが家にいなければなりません。しかもなおかつ有料なのです。これでは介護保険が一体何なのか理解で来ません。保険サービスで詐欺事件まで起きている現状です。
日本で「介護センター」へ入るのには数千万とかかります。少なくとも私たち家族の誰もそれは出来ません。
本題からそれて申し訳ありませんが、アメリカでのその辺の事情など次にブログに載せていただけませんか?